理事長メッセージ

理事長メッセージ

21世紀を迎えた今、私たち人間はこれまで経験したことのない地球環境問題に真正面から立ち向かうことが求められています。人類は革命的に“何か”を変えない限りこれからは生存が不可能です。地球は人類が滅びても100年も経たずに元に戻るでしょう。今危ないのは人間そのものなのです。

自然と共生という素晴らしい文化を育ててきた日本では、欧米の文化に感化された“知識”とその2000年を超える経験、歴史、伝統が遊離し、生きた知識すなわち“見識”となり得ず、その結果自らの責任において決断し実行する“胆識”を欠くこととなり、経済的バブルのみならずついには政治的、社会的バブル状態に陥りますます混迷の度を深めています。

有限の地球に生きる私たちの生き方を問う問題である。このことは環境問題においても同様であり、正しい科学的な理解を求めることなく「地球が危ない」と、危険性のみを強調し、冷静な判断力を見失い、いたずらに危機感を煽る結果を招いています。

今、日本に求められているものは、21世紀のアジアにおける日本を確立するとともに、アジアの環境問題を総合的、戦略的に捉えて新しいアジアの論理を構築し、安全で住み良い地球環境と活力ある経済・社会システムをつくり、アジアの平和と繁栄に貢献するために日本人らしい役割を演ずることです。

そして今、私たちに求められているのは、少なくとも100年先の人類と地球環境のために「私たち一人一人が、どのような役割と責任を果たすべきなのか」ということについて自ら考え、自ら行動することです。

アジア環境推進機構はこれらの活動を積極的に推進することを趣旨としています。こうした試みを通じて現代の日本が見失いつつある勤勉・努力の気風や国家に対する愛着心を喚起させ、さらに世界で最も礼儀正しく親切な国民であり、最も安全な国であると言われていた「日本の真の美しさ」を再び喚起し、新しい21世紀文明の中に調和させてゆくことも重要な目的の一つとしています。